横で眠る「あなた」【未完】
第102章
スカイラウンジは、ホテルの最上階にあった。

エレベーターで、最上階まで行き、スカイラウンジの入り口のボーイさんに、理先輩が予約をした旨を告げた。

すると、案内してくれるボーイさんが来て、席まで案内をしてくれた。

スカイラウンジは、円形なので、どこからでも展望は、良かった。

軽いカクテルや、多少つまむものを頼んだ。

後輩も私も、昨日スカイラウンジで飲むと聞いたから、その前に食べておいた方がいいと判断して、ここに来る前に、2人で食事をしていた。

その時、後輩が「今日行くところって、女の子を口説きたい時に、使える場所だよ。 男なら間違いなくそう考える。」と言った。
そして、「俺の歓迎会とか言ってるけど、ターゲットは恵理子さんだね。俺は邪魔者。」とも言った。

私は、「なんで、坂田さんも瑞穂もみんなそうやって、理先輩はまだ私を好きというのよ。 今日は、安部くんの歓迎会じゃない。」と反論した。

すると、「へ~。坂田さんは、理先輩の気持ち知ってるんだ。 気が気がじゃないだろうね。」と言った。

その言い方が好きではなかったから、「私の気持ちは坂田さんにあるのよ。 今更、理先輩に動かないのよ。」と言うと「恵理子さんの気持ちは、わかったよ。 でも、その気持ちを、必死になって動かそうとしているヤツがいることも、理解してた方がいいと俺は思う。」と言った。

それから、「今日の歓迎会の主役が邪魔者って、許せないから、そう簡単に、俺は恵理子さんに近づけないようにブロックするよ。」とも言った。


私の横に安部くん、私の前に理先輩と座った。

私たちの高校時代の話を理先輩は聞きたがった。
安部くんとの出会いは、最悪だった。

阿部くんは、文章で社会に訴えようとする人だった。
それは、大学に入った今も変わっていない。

その文章の文責と事実の正確さに問題が、出会った頃の阿部くんにはあった。

ある時、あまりにも事実の裏が取れていない記事を書いて配っていたので、注意をした。

それが、阿部くんとの出会いで、彼が私に信頼を寄せてくれるつきあいなった。

そんな話をすると、「彼女に怒られてからのつきあいか。」と笑った。
そして、「彼女は、怒るとこわいよな。」と阿部くんに同意を求める。

私は「怒れば誰でも怖いでしょ?」と言った。

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