横で眠る「あなた」【未完】
第115章
今までは、夜の食事やお酒を飲む事を誘わなかったけど、堂々と誘うようになった。

しかも、自主ゼミが終わった後、家に送る時、瑞穂にどう交渉したかしらないけど、理先輩がするようになった。

それでも、理先輩が私に手を出すことは、なかった。

「きみの気持ちが、僕に向いてない間は、手は出さないよ。」と理先輩は言った。

私は、理先輩に気持ちが向くことはないと思った。


理先輩は、景色の良い場所やオシャレな場所での食事などに、私を連れて行くのが好きだった。

そして、必ず理先輩が奢ってくれた。

少しでも、払いたいと思ったけれど、却下された。

「僕がきみに使いたいんだ。」と言われた。

「それに、僕は1ケ月に10万までは、親の承諾なしでカードで使える。 それ以上は、親の承諾が必要だけどね。」と理先輩は言った。

「だから、きみが心配することはないよ。」と言った。

私は、なんて裕福な学生だろうと思った。
こんな人は、スーパーに行って、食材の値段で頭を悩まさたりしないだろうと思った。

理先輩の家で使ってる紅茶の茶葉を思い出しても、私には手を出すのためらう高級品だった。

感覚が違うことを、改めて思った。

そういえば、中学生の時に、ジュースというのは、100パーセントジュースの事を指すと教えてくれたのは、理先輩だった。
そして、100パーセントジュースしか自分は、飲まないと言ったのを覚えている。

その時も、私とは感覚が違うなと思ったのを、思い出した。


感覚のズレが別れに繋がったんだと、思った。

今も感覚のズレを感じている。
それなら、やっぱり、理先輩との復活はありえないと思った。


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