横で眠る「あなた」【未完】
第50章
奏先輩は、「やっと、詩子から貰えた。」と言って、詩子先輩のチョコレートと手袋を受け取った。

奏先輩は「良く、僕が手袋欲しいって知ってたね。」と言うと「奏の手袋。指のところ破けてて、寒そうにしてるから、手袋がいいかなと思ったの。」と詩子先輩は言った。

「手作りはできなから、既製品だけど。」と詩子先輩が、申し訳なさそうに言うと、「詩子がくれたことに意味がある。ありがとう。大切にする」と奏先輩はさっそく手袋をつけた。

女子バスのキャプテンは、泣き顔を見せずにその場から、静かに立ち去った。
ずっと、彼女が有力候補と言われていたのだから、つらいはずなのに、強い人だと思った。

こうして、奏先輩と詩子先輩の心が、ようやく1つになった。
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