横で眠る「あなた」【未完】
第54章
私は、学校に行くのも辛くなり始めていた。

学校の最寄駅が近くなると、気もち悪くて電車から1度降りてもう1度乗り換えて行くような日々だった。

理先輩に話してから、理先輩は私が駅に着くまで待っていてくれた。

それでも、1時間目に間に合わなくなりそうな時は、仕方がないので先に学校に行っていたけれど、休み時間には、必ず私を教室から連れ出してくれた。

ご飯は以前よりは少し食べられるようにもなったし、眠ることも前と比べたら眠れた。
それでも、私はどんどん学校に行けなくなって行った。

成績は、見る影もなかった。
担任には「男をたぶらかすだけしかできないのね。」と言われたこともあった。
言い返せる成績ではなかったから、耐えるしかなかった。

2学期になると、とうとう私は午後からしか学校に登校できなくなった。

午後は、選択科目だけなので、クラスのような大人数ではない事と1~3年まで一緒だったので、先生側のイジメもさほどではないことが授業に出れた原因だった。

そして、何よりも選択授業を理先輩と同じにした為、常に傍に理先輩がいてくれた。
このことは、何よりも大きな安心だった。

そして、理先輩が自治会の活動をしている時間を、理先輩と詩子先輩の計らいで、自治会室にいさせてくれるようになった。

高等部に入学して、やっと安心して息をしている気がした。

この安心・安全な時間と空間に、出会えて本当に嬉しかった。
その場所を提供してくれた詩子先輩と理先輩に、本当に感謝した。

でも、こういう安心できる場所に出会ったからこそ、考えなきゃいけない事があると気がつけた。
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