横で眠る「あなた」【未完】
第64章
厚子は、小学校3年から中学卒業まで、イジメにあってきた子だった。
口を聞いたら、バカになると、全校生徒から無視をされ続けれきたらしい。

それでも、彼女が明るく生きてこれたのは、家族が彼女を守ってくれたことだった。
家族は、どんな時も、彼女の見方であり続けてくれた。
だから、彼女は明るく生きてこれた。

私の高等部時代のイジメの話を、厚子にした。
お互いに、イジメはいやだよねとはなったけど、イジメられていたから仲良くなったいうわけでもない。

厚子が持つ人間性と芸術的センスに、惹かれた。
それは、強さと弱さのバランスが、危うく、弱さが勝ってしまうことがあった。

しかし、弱さが勝つ寸前は、絶妙に美しいとも言えた。
そこが、私の目を引きつきて、やまなかった。

そして、私は、厚子の絶妙な美しさを守る為なら、頑張れる気がした。

今まで、人に何かをして貰っていてばかりだった私が、人の為に何かをしてあげたい。

初めて、そう思った人だった。

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