横で眠る「あなた」【未完】

第68章

この年の夏休みは、新しくできた友人たちと、とにかくお金のかからない旅をした。

だから、鈍行列車にも、たくさん乗ったし、地方から来ていた友人の家にも、お邪魔した。
そんな旅を1週間ほどした。

色んな土地で、様々な出会いがあって、面白かった。

そして、私は今まで、狭い世界で生きていた事を、痛感した。
もっと、もっと、視野を広げる必要を、この旅で、強く思った。

そのことも、理先輩に、書いて送った。
それが、理先輩の心をどれだけ乱したのかということを、当時の私にはわかってはいなかった。

私は、ただもっと色んな人と触れ合って、色んな世界を見てみたい。
ただ、それだけを、考えていた。

そのことが、人を傷つけることもあるとは、思いもしなかった。