横で眠る「あなた」【未完】
第6章
とうとう、卒業式。
しっかり、先輩たちを目に焼き付けなきゃ!

うちの学校は、比較的校則が緩いんだけど、中等部までは制服着用が義務。
高等部に入ると、制服は着ても着なくてもいいとなるから、ほとんどの人が着てない。
中等部の卒業式は、高等部に入ることを意識してるのか中等部の制服を着なくてもいいことになっていた。
中等部の制服に愛着がある人とかは、着てたけど。
先輩たちは、スーツだった。
メチャクチャかっこ良かった。
奏先輩は、相変わらずすぐに女の子囲まれてしまって、写真を撮られまくっていた。

式は順々に進み、卒業生代表として、奏先輩がことばを述べた。
その後、校長先生の話があって、卒業式は無事に終了した。

これで、見納め。
そんなことを思っていたら、恵子が
「後夜祭出てくでしょ?」と聞いてきた。
確かに、うちの学校は、行事が終わると後夜祭があるという不思議な学校だった。
でも、卒業式に後夜祭?聞いたことないんですけど?
去年は、友人も今より少なかったし、卒業学年の知り合いなんて一人もいなかったから、卒業式が終わったら、あっさりと帰ったんだけどね。

「奏先輩たちは、後夜祭出るって言ってたよ。一緒に出ようよ。」と恵子が言って来る。

卒業したら、ただの偶然だって難しくなるかもしれない。
それなら、今日1日くらい夢を見てもいいかな?
そんな気持ちになって、「後夜祭出るよ。」と言っていた。

この後夜祭があなたとわたしとの距離を変えるものともお互いに知りもしなかった。
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