牙龍−元姫−



「まあ確かにムキムキは勘弁じゃね〜か。色男が台無しになっちまうしよ」



蒼はそう言い煙草を吹かす。確かに色男だよね、僕もそう思うよ。何故か頷いてしまった。




「けっ。何が色男だよ、変態男の間違いだろ?」

「その変態男に空ちゃんは鳴かされるのよ?今夜は寝かせね〜ぜ?」



悪態をつく空よりやはり一枚上手の蒼。かなり蒼はドSだから今夜大変だね、空。




「蒼に名一杯愛を注いで貰って良い夜にしろよな。精々頑張って来いよ、空ちゃん?」

「うっせえよ!なら遼太が蒼衣に愛を貰えばいいだろうが!」








「――――……え。ちょ、ちょっとちょっと!聞いた?蒼衣くん?聞いちゃった!?空ちゃんは僕に"愛を貰う"だって!」

「まあ!空ちゃんが"愛を貰う"なんて生々しい言い方しちまうなんてな〜。破廉恥な子ね〜?」

「全く破廉恥な子になったわ〜。どこで育て方間違えたのかしら?ブス猿に感化されたに違いない!生々しいにもほどがあるわ!」






「「ね〜?」」






「てめえらの存在自体が生々しいんだよ!!」






空の苦労は耐えないね?




でもいつものことだから余り気にしない。気にしたら負けだと思う。

いつになく完璧キレてる空をからかう二人も凄いけど、空気と化して青汁を飲みながら自分の世界に浸り続ける寿々も凄いよね。


あとこんなにも煩いのに眠り続ける戒吏も―――――――――――葡萄ジュース買ってきたのにな、戒吏は葡萄好きだし。
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