牙龍−元姫−
『お前ら馬鹿?バイクなんて乗ったら捕まるよ?』
皮肉を込めて嘲笑う。
僕は何も間違っていない。
『え?だから?』
『は?』
『お前って変なヤツだなッ!俺達はまだ“ぎむきょーいく”だから捕まらねえよ!それよりもバイク乗りたくないか!?戒吏の爺さんに見つからねぇうちに乗らねえと!』
『…下らない』
乗り方もしらないくせに。
リスクをおってまで好奇心に負ける気はない。
そう、あしらう。
正論を述べただけなのに訝しげな顔をする2人。
恰かも僕に否があるように。
『お前もっと楽にしろ』
『…は?』
『感情圧し殺して殴るの躊躇っただろ』
『…』
『なんでお前が謙虚になってんだよ』
その漆黒の瞳はすべてを見透かされているようで逸らしたい衝動に駆られる。
確かに殴ってやろうとは思ったけど―――――殴りはしなかった。問題事なんて御免だよ。
だからただ拳を握り締めただけ。それの何が可笑しい。