牙龍−元姫−



バイクから降りてきたのは赤髪。



よく八百屋で並んでいる真っ赤で瑞々しいトマトのような色。



果物ならイチゴ・リンゴ言い出せば切りがない。



僕以外にこんな髪の色をしたヤツがいることに驚いた。



『慎』

『や、やべー!轢いちまった!』

『何で俺が乗る前に乗ってんだよ』



そっち!?



人を轢いた事にはスルー!?



『お前が戻ってくんの遅かったからだろ!…あ』



ふと僕と目があった赤髪。



と言うよりは真っ赤な髪に目を奪われて凝視していたとき、



赤髪が僕に視線を向けたから目が合った。



『戒吏!こいつか?』

『ああ』

『そうか!なら早く乗ろうぜ!?』



ちょっと待て。



僕を無理やりバイクに乗せようとする赤髪を押し退け、把握できない状況を聞く。



『バイクに2人で乗ろうとしたんだけどよ、あと1人は乗れるから戒吏が誰か探しに行ったんだよ。人数多い方がスリルあるだろ?』

『そしたらお前を見つけた』



…何とも言えなかった。



突っ込み所が多すぎる。



言いたい事を言えば切りがない。
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