獣は禁断の果実を蝕むのか。
「あの…つかぬ事をお伺いしますけど…九重部長は?」
なんて聞いたらいいのか言葉が出てこない。
何度もまばたきをしながら、ジッと九重部長の顔を見るしかできない。
「あ?オレ?」
「はあ…いちようは、S&Gの重役に名前はありますけど…でも、開発課の部長ですよね?」
そこが気になっていたんだよね。
部長クラスで、重役に名前を連ねていて。
社長と同じ苗字だけど。
「そうだよ。親父が会長だからな。」
「じゃあ、社長はお兄さんですか?」
「弟だよ。」
ムッとしながら答えた。
「おっ…弟!?」
目をパッチリと見開いて、口はポッカリとだらしなく開いて。
耳を疑うような言葉に驚いた。