獣は禁断の果実を蝕むのか。
腕をつかまれたって分かった時には、真っ白な天井がシャンデリアでオレンジ色に変わっている光景が目の中に映っていた。
「オレ、気に入ったら力づくでも手に入れるタチだから。」
獣を宿した瞳しか視界に入らないくらい九重部長の顔が近くて。
息を飲むことすらできない。
押さえつけられた両腕。
ソファがクッション代わりになって、痛みを軽減してくれている。
「手に入れるって…私は誰かの物ではないです。」
震えそうな自分を抑えて、これ以上、九重部長の機嫌を損なわないよう。
精一杯の答えをこぼした。