獣は禁断の果実を蝕むのか。

でも、九重部長に探りを入れられて、本当の事がバレたら。


そう思ったら。


ウソはつけなかった。


「では、どこまでしたと?」


手で覆うかのように、メガネの両端を指でつかむと。


メガネをゆっくりと上げて直した。


「…」


言葉に詰まる。


説明…できないよ。


「九重部長のキスはどんなでしたか?」


言葉が胸の中に刺さり込む。


「それは…」


答えたくない。


答えられない。


もし、本当のことを話したら。
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