獣は禁断の果実を蝕むのか。

その言葉に、全ての機能が停止したように。


頭の中は真っ白。


言葉も体も凍りついたように止まってしまった。


…中身、見られたんだ。


それだけは、頭の中に浮かび上がった。


小さく震える体。


覚悟は決めていたのに。


こんな形でバレるなんて。


ゴクリと息を飲みこんだ。


「…それは。」


言いわけなんて、いくらでも出来る。


手伝いたかったとか。


力になりたくて調べたかったとか。


勉強したかったとか。


間違えて持ってきちゃったとか。


なのに、言いわけは浮かんでは消えて。


言葉にはならない。

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