獣は禁断の果実を蝕むのか。

自然と視線は下を向き、顔もうつむいてしまう。


きっと、言いわけを必死に考えてるって思われてしまう。


だからなの?


ハアッと小さなため息をつくと。


「言えないのなら、こちらから説明しましょうか?」


冷たい言葉が耳を突き刺した。


「説明?」


何のこと?


驚きながら、パッと上げた顔。


「デジウェアを盗むよう、送り込まれたんですよね?」


その微笑みが、怖いくらいキレイで。


まっすぐに向けられた視線が、何もかもを見透かしていると言わんばかりに、私に向けられている。


「……いつから…いつから知っていたんですか?」


もう、隠してもムダ。


どうせ、バラすつもりだったんだもん。


なのに、いざとなったら怖くて心臓は跳ね上がっている。


バクン

バクン


氷柱にも似た、凍りついた痛みが体をかけ巡っては、ズキリと心臓を貫く。


貫かれた痛みは、冷や汗に変わって。


ジンワリと掌に湧き上がる。


「初めからです。」


その言葉に。


ゆっくりと目を閉じた。

< 353 / 387 >

この作品をシェア

pagetop