獣は禁断の果実を蝕むのか。
借金と犯罪者ってレッテルを負うだけ。
どうしたらいいの?
経験もそんなにない。
テクニックなんて、そんなの程遠い言葉で。
ギュッと目をつぶり、専務の肩をつかんだままの手に一層、力が入って。
もう、後は運に任せるしかない?
そう思った瞬間。
「うちの小松、早く返してくれないかしら?」
ソファの背もたれの向こうに人の気配が感じられる。
聞き覚えのある声に、慌ててソファから起き上がると、乱れた服を整えた。