叶ってほしい


通る人通る人私を見てきた。


泣いてるからなのか、歩き方がおかしいからなのかはわからなかった。



やっと、教室の前まで来たとき足が一歩も出なくて


痛くて立っていられなくてしゃがみこんだ。



「中村さん大丈夫?」

という大野さんの声が聞こえた。


大野さんとは学年の女子で一番嫌われてる人。

見た目は肥満ぎみで噂では60㎏を越えてるとかなんとか。


性格もあまりいい方ではなく、こうゆう時だけ友達ぶる。



大野さんはずっと大丈夫?と聞いてくる。

大丈夫なわけない。


そう返事する余裕さえもなかった。



「優愛?」



誰かの声が聞こえた。



「どうしたと!?優愛大丈夫?」


智絵だった。



智絵は背が高く、誰とでも合いそうな性格をしている。


でも智絵を嫌う人は多く、智絵自身も大体の人を嫌っていた。




私はずっと足を押さえていたから智絵はそれに気づいたのか


「足?歩ける?保健室、行ける?」



私はあまりの痛さに声が出ず首をふって伝えた。




「乗って!!」


智絵を見るとおんぶする体型をしていた。



私は素直に智絵の背中に乗った。

智絵が走って保健室に向かってる時、一凜と理子に会った。



二人ともどうしたと?と聞いて智絵が足を怪我してると私の代わりに伝えてくれた。




「私たちも保健室まで付き合うよ」
と、一凜と理子も一緒に行ってくれた。




保健室までは私たちのクラスが二番目に遠いのに本気で走ってくれた。




保健室に着いたら智絵が


「大塚先生呼んでくる。」



そう言って担任の先生を呼びに行ってくれた。


私は保健室の先生に靴箱の隣の狭い道で転んだことを話した。



時間が経ったからかさっきよりは話せるようになった。



すると先生は

「病院行こうか」
そう言って電話をかけた。



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