結婚できるの?
自分が必死で陽太と会おうとしたように、陽太は千香に会いたいのだ。


「俺の気持ちは前に伝えた通りだよ。変わってない」


亜里沙は陽太との別れ話を思い出して、息をするのも苦しく感じる。

陽太は重い雰囲気を変えるように、右手を上げてウエイトレスを呼んだ。


「コーヒーのおかわりと、チーズケーキを二つ」

「あ、私はコーヒーだけで……」


亜里沙はケーキを断ろうとしたものの、陽太が遮る。


「時間はたっぷりあるし、頼んでおこうよ。チーズケーキは亜里沙の好物でしょ」
< 231 / 744 >

この作品をシェア

pagetop