結婚できるの?
「……ええ」


千香は肯定しつつも、微かに首を傾げた。


「でも実際は彼のこと、ちゃんと見てなかったのかもしれない」

「そうなの?」

「自分の理想を押し付けてたのかもしれません。恋人なら、夫なら、こうであって欲しい、みたいな……。ありのままの彼を見てなかったのかも」


食後のコーヒーが運ばれて来た。

コーヒーの香りと湯気に包まれながら、智和は温かい眼差しで千香を見つめている。


「千香さん、さっきまでと顔が全然違うよね」
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