結婚できるの?
智和は席に座ってからも、申し訳なさそうな顔で謝り続けた。


「10分程度の遅刻なんて、気にしないで下さい。それより、ここの夜景に感動してました」

「そう言ってもらえると嬉しいよ。ありがとう」


ボーイに飲み物の注文を訊かれ、智和はグラスシャンパンを二つ頼んだ。


「勝手にシャンパンにしちゃったけど、他に飲みたい物があったら遠慮なく言ってね」

「はい」

「料理はCコースで予約したけど、食べられるよね?」


Cコースは一番豪華なコース料理で、メインを魚と肉の両方から一品ずつ選ぶ。
< 366 / 744 >

この作品をシェア

pagetop