結婚できるの?
返事をしながら亜里沙は緊張していた。

川島のような上役が、バイトの身である自分に何の話があるのだろう。

少し嫌な予感がした。

川島の鋭い眼光や脂ぎった肌、恰幅の良い体型は、取締役の肩書きがなくても威圧感がある。

更衣室でスポーツウエアに着替えた亜里沙は、川島に指示された人事室へと向かった。

ドキドキしながら人事室のドアを叩く。

すぐに中から川島によってドアが開かれた。


「朝から呼び出して悪いね。こっちに来て」
< 568 / 744 >

この作品をシェア

pagetop