史上最悪!?な常務と

「あのね、おじさん、大きいお姉ちゃんってねえ、
真面目すぎるからダメなんだよ?」



「え?お、おじさん…?」

そんな風に呼ばれたのは初めてで思わず聞き返す。


桃山にはあと弟ともうひとり、妹がいると言ってたが
みんなこんな感じなんだろうか。

きょうだいだけで暮らしてるというのに真っ直ぐで明るくて。



「あっ!ごめんなさい。
でも…えっと、カッコイイからお兄さんにしてあげる。
大きいお姉ちゃんにアタシからお兄さんの気持ちは伝えてあげるからね」


「そう?ありがとう」

笑顔でそう返すと彼女は安心したような笑顔を見せた。


「えーっと、あっ、もしかしてお兄さんってお金持ち?」


「どうして?」


「だって、あの車、お兄さんのでしょ?」


彼女が指差すようを見ると乗ってきた黒の車。

さっきまで婚約者だと決められた女性が乗っていた…。

急に現実に戻らされたような気分だ。



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