史上最悪!?な常務と
ドアを開けると。
いつもの席で常務が机にたくさんの書類を広げ、
パソコンを見つめながら何かを書き込んだりしていた。
珍しい…、
真面目に仕事してるの…。
っていうかこれが普通なんだろうけど。
「あの、
印鑑をいただきたい書類が…」
アタシの声で彼が顔をあげる。
「わかった」
久しぶりに聞くその声、
低くてよく通る声。
すんなりとアタシの中に入ってくる。
あのときと同じ。
変わらない。
でも会わないでいた時間はそんなに長くはなかったはずのに、
なんとなく溝ができてるような、
たとえば大きな川があって向こう岸が見えてるけど渡れない、
そんな感じ。
ああ、それはアタシが作ってるのかな。
それとも互いに作ってるのかな。