ふたつの背中を抱きしめた
…今…なんて、言った…?
私は急加速する心臓に全身が痺れていくのが分かった。
「ウソじゃないもん!あたし見たもん!きのう寝てるときに、しゅうくんがまひろちゃんにチュッてしたの!」
マルちゃんの言葉に私は完全に頭が混乱する。
どういうコト?
どういうコトなの?
昨日?
柊くんが?
「ね、まひろちゃん!ウソじゃないよね!あたしウソつきじゃないよね!」
必死でそう言うマルちゃんの言葉に、私は何も言えず張り付いた表情を動かすコトも出来ずにいた。
「本当だよ。キスした。マルはウソつきじゃない。」
後ろから聞こえたその言葉に、
心臓が、止まるかと思った。
振り向くと、入口のドアにもたれかかるように柊くんが立ってこちらを見ていた。
「……!!」
私と加古さんが隠しきれない驚きの表情を浮かべる。
柊くんは無表情のままヅカヅカと歩いてきてマルちゃんとケイくんの間にしゃがんで視線を合わせながら
「寝てる真陽に俺が悪戯でキスした。だからマルの言ってるコトはウソじゃない。これでいいか?」
と言って2人を見つめた。
「えー本当なのかよー。」
「ほらね!あたしウソつきじゃなかった!」
納得いかなさそうな顔のケイくんと、嬉しそうに飛び跳ねるマルちゃんを見て、柊くんが立ち上がった。
そして事も無げに
「さっさと朝飯食わないと遅刻するぞ。」
と言って、子供達の背中を押しながら寝室を出ていった。