ふたつの背中を抱きしめた
7時を過ぎた頃、日勤の加古さんが早めの出勤をしてきてくれた。
「柊くん、夜勤初めてでしょう?疲れてるんじゃないかと思って早朝業務手伝いに来たよ。」
いつも落ち着いてて優しい加古さんは柊くんを気遣って来てくれたんだけど
「…真陽と2人が良かった。」
と柊くんは加古さんに聞こえないようにボソッと小声で呟いて私を苦笑させた。
「子供達起こしてくるから、2人は朝食のセットしちゃって。」
そう言った加古さんに従って柊くんと2人、食堂で朝食の支度をした。
「あれ?子供達遅いね。」
支度を済ませてもなかなか来ない子供達が気になって、何かあったかなと思い
「ちょっと見てくるね。」
と柊くんを食堂に置いて寝室へと向かった。
寝室の開け放たれてるドアから、子供の言い争う声が聞こえる。
何事かと驚いて駆け付けると、私に気付いた加古さんがとても困惑した表情で振り返った。
「あ…、ま、真陽ちゃん。」
「どうしたんですか?」
私が来たコトに気付いたマルちゃんが興奮した面持ちで私に駆け寄ってきた。
「ね!まひろちゃん!ウソじゃないよね!!」
そう言ったマルちゃんに今度はケイくんが叫ぶ。
「ウソだ!マルのウソつき!そんなコトするワケないじゃん!」
状況がよく分からない私は足に絡み付くマルちゃんを撫でながら落ち着かせる。
「どうしたの?2人とも?何があったのか教えて?」
私の言葉にケイくんが大声で答える。
「だってマル、ウソつきなんだ!
昨日の夜、しゅうとまひろちゃんがキスしてたって言うんだぜ!」
ケイくんの言葉に、
私の表情が凍り付いた。