ふたつの背中を抱きしめた
けれど、お祭りの会場には柊くんの面影があちこちにあって。
たくさん準備を手伝ったと言う柊くんの言葉通り、彼が作ったと思われる看板やゲームコーナーの器材なんかが時折私の目についた。
それは忙しさの最中、私の胸を切なく締め付ける。
ヨーヨー釣りに使うビニールプールを用意してる時も、以前に柊くんと子供達で水遊びをした日を思い出さずにはいられない。
そして、以前ここに預けられていた子達が私に聞く。
「しゅうくんは?」
「しゅうは今日はいないの?」
柊くんはきっとこの園で1番子供達に好かれていた。
子供と同じ目線で遊んであげられる柊くん。
預けられた子供達の痛みが1番よく分かる柊くん。
だから、言葉ややるコトは乱暴でも誰よりも子供に優しかった。
それを分かっている子供達は柊くんに会いたがった。
「なんで今日しゅうくんいないのー?」
「柊と会えるの楽しみにしてたのになあ。」
子供達のションボリした顔が私の胸を締め付ける。
ゴメンね。
ゴメンね。
私のせいなの。
私がキミ達から柊くんを取り上げた。
どうしようもない罪悪感。
大勢の人で賑わう会場の園庭。
はしゃぐ子供達の声。
夏の暑い空気に負けない陽気な雰囲気。
その中で私は
泣きたくなっていた。
どうしていないの。
ここに1番居るべきなのに。
ここに1番居て欲しいのに。
会いたいよ柊くん。
今日のお祭りを一緒に迎えたかった。
一緒に子供達の笑顔に囲まれたかったのに。
会場の盛り上がりも最高潮に達する頃、私は子供達に配るジュースを園内に取りに行くフリをして
ほんの少しだけ
誰もいないロッカールームで泣いた。