ふたつの背中を抱きしめた


綜司さんに支えられながら車に乗り込み病院に行くまで私の頭は焦燥と罪悪感で混乱していた。



はやく、柊くんに連絡をとらなくっちゃ。


柊くんが出発する前に

今日は行けなくなってしまったコトを伝えないと。


柊くんを待ちぼうけさせてしまう。




仕事に遅れてまで私の心配をしてくれている綜司さんの隣でそんなコトを考えている自分があまりにも残酷で


私は激しい自己嫌悪を覚える。


病院に着いても綜司さんは私のふらつく身体を支えてくれてずっと付きっきりでいてくれた。



終始真剣に私を心配してくれている綜司さんを見て、涙が滲んでくる。



こんなに私を大事にしてくれている人を、私、裏切ってるんだ。



病気で弱った心が、今まで抱え込んできた罪悪感を剥き出しにする。



私は綜司さんにもたれ掛かりながら涙を溢した。



「どうしたの真陽、つらいの?」



心配そうに聞いた綜司さんに、私はただ黙って頭を振った。



----ごめんなさい。



その一言が言えなかった。


だって私はこの時でさえも


『はやく、柊くんに連絡をしなくちゃ』


と焦れていたのだから。



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