ふたつの背中を抱きしめた
以前に柊くんが話してくれたことがある。
どうして私のコトを好きになったのかを。
「真陽はさ、『ダメ』って言わない人なんだよ。」
その言葉の意味が分からず、私は最初首を傾げた。
「俺にもだけど子供に対してもさ。真陽は絶対『ダメ』って言わないんだ。
例えばさあ、子供を叱る時に他のヤツは最初に『コラ』とか『ダメでしょう』って言うけど、真陽は違う。『どうしたの?』って必ず聞いてくれるんだ。
俺、そこが超好き。」
柊くんの話にその時の私は目を丸くした。
確かに、なるべく子供達の話を聞くように心がけてはいたけれど…。
まさかそんなコトが柊くんの心を動かしていたなんて思ってもいなかった。
「くだらないとか思うなよ。俺みたいなヤツにはスッゴい大事なコトなんだ。」
そう言いながら柊くんは私を後ろから抱きしめた。
顔を、見られたくないように。