ふたつの背中を抱きしめた
綜司さんは私になんでも与えてくれた。
気持ちや行為だけでなく、それは時にモノとして私に与えられた。
そもそもの金銭感覚が違うのか
綜司さんの会社はそんなにもお給料をくれるのか。
綜司さんが私に贈る物はどれも私にはあまりに過ぎたモノだった。
プレゼントだけじゃない。
一緒に暮らす事になって綜司さんは当たり前のように
私の生活費を肩代わりしようとして
私は全力でそれを否定した。
「綜司さん、私こんなのヤダ。
私は身の丈に合った物が身に付けたいし
自分の生活くらい自分で面倒みるよ。」
綜司さんはキョトンと目を丸くしたあと
「じゃあ真陽は何が欲しいの?」
と不思議そうに聞いた。
「何もいらないよ。綜司さんと2人で過ごせるだけで充分だよ。」
「本当に?それでいいの?」
「当たり前だよ。じゃあ逆に綜司さんは私から何か欲しい?」
「…なにも。
真陽がいてくれれば、それでいい。」
「ほら、一緒じゃない。」
そう言って笑った私に
綜司さんはなんだか驚いた顔をずっとしていた。
それ以来、生活費はちゃんと折半になったし
やたらと高級なプレゼントは無くなったけど
それでも綜司さんが私に何かくれたがるのが変わることは無かった。