ふたつの背中を抱きしめた
東京での一人暮らしは、綜司さんや大学で出来た新しい友達のおかげで寂しさを感じる事はなかった。
ただし、綜司さんの仕事はとても忙しく、また私も学校の課外活動として
休日は福祉施設などへボランティアに行く事が多く、なかなか会えない日が続く事も多かった。
そんな状況を変える為に
私が大学2年生の冬に綜司さんはある提案をした。
「一緒に暮らそうか?」
私はその春、マンションの2年契約を更新せず
そのまま綜司さんの広い一人暮らしの部屋へと引っ越しをした。
自分でも不思議なくらい躊躇いは無かった。
それは、ただ単に恋に頭がのぼせていただけでは無く。
心のどこかで、私は綜司さんとの未来を確信していたからだと思う。
きっと、この人の隣に一生いるのだろう、と。
一緒のベッドで
月明かりに揺れる綜司さん
の柔らかな髪を撫でながら
私は何度も朧気にそう感じていた。