ふたつの背中を抱きしめた




「お疲れさま。」


「お疲れさま…。」



相変わらず、リエさんとは気まずいけれど。

でも。



「……明後日さあ!」


すれ違ったリエさんが足を止めて声をかけてきた。


驚いて振り向くとリエさんは私の方を少し緊張した面持ちで見つめていた。



「ちゃんと祝福してあげるから、おめでとうって言いに行ってあげるから!


だからもう…ちゃんと幸せになりなよ!


もう婚約者さん泣かせないようにしっかりしなよ!」



そう言ったリエさんの言葉に、私は立ちすくんでどう答えていいか分からなかった。


そんな私にリエさんは


「意地悪で言ってるんじゃないからね!友達として激励なんだからね!」


と焦ったように言った。


「…ありがと……リエさん…ありがとう…」


みるみる涙で滲んでいく私の顔を見ながらリエさんは困ったように


「もう、泣かないでよ!

…しょーがないじゃん。もういない人のコトで争ったって意味ないし、ここで歳近い友達って真陽ちゃんだけだし。」


そう言って私の頭をグシャグシャと撫でてくれた。








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