ふたつの背中を抱きしめた
真陽は、返事をしながら立ち上がって俺を振り返り
「ごめん、ちょっと行ってくるね。好きに飲んでいいよ。」
と、水筒を指差しながら出入口へと小走りしていった。
パタパタと云う小気味良い足音が聞こえなくなると、スタッフルームは残された俺ひとりを静寂に包んだ。
しん、とした部屋で俺はじっと彼女の机を見つめた。
「…飲んでいいって言ったもんな。」
俺は、真陽の机にあった水筒ではなく
…まだ湯気のたつカップを手にとった。