ふたつの背中を抱きしめた




たくさんいるボランティアさんの中でも、柊くんは1番頻繁にぬくもり園に来ていた。

多少不満のある人もいるけれど、24時間いつだってお手伝い大歓迎のココにとっては実にありがたい存在だ。

柊くんはアルバイトが休みの日は勿論、アルバイトがある日でも仕事が終わった後に来てくれていた。



「暇なんだって、本人言ってたよ。」

子供達の洗濯物を干しながらリエさんがそう言った。

「遊びに行ったりしないのかなあ。」

私もリエさんの隣でハンガーにタオルを干していく。

ここで働くようになって1ヶ月。私は歳の近いリエさんとタメ口で話せるくらいに仲良くなっていた。


「友達いないって言ってたから遊びにいかないんじゃないかな。」

「えっ、友達いないの?」

「みたいよ。まあ、友達いっぱいの柊くんなんて想像出来ないよね。」

そう言ってリエさんはあははっと笑った。

まあ確かに、友達に囲まれて笑ってる柊くんはちょっと想像し難い。

でもなあ。

18歳でしょ?ボランティアに来てくれるのはありがたいけどもっと自分のコトも大切にした方がいいんじゃないかな。

友達とか、彼女とか。

柊くんにはもっと彼を理解してくれる人が必要だと思う。


そんな力説をした私にリエさんは

「真陽ちゃん、柊くんのお母さんみたいね。」

と笑った。


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