ふたつの背中を抱きしめた



子供達に夕飯を食べさせ、夜勤の人へ引き継ぎを済ませてから私は今日の仕事をあがった。

出勤二日目、無事(?)終了。


遊戯室の車は矢口さんの命令により結局剥がす事になった。

「理由は分かったけど、こう云うコトをしてたらキリが無くなっちゃうでしょう?もっと考えて行動しなさい。」

そう言った矢口さんの言葉は正しい、と思う。

でも。柊くんも間違ってない。


私は帰る前に、剥がした車をタクミくんにコッソリあげた。

「柊くんがタクミくんのために作ってくれたんだよ。マクラの下に敷いて寝たら、きっとトミカの夢が見れるかもね。」

子供の寝室はぬいぐるみと絵本以外のおもちゃの持ち込みは禁止だ。

けれど、昨夜は不安でずっと寝付けなかったと云うタクミくんに、私は楽しい夢を見せてあげたいと思った。


そんな私はきっと『勝手なコトをするやっかいな』スタッフの仲間入りだ。


昨日まで『ひねくれた中学生』にしか見えなかった柊くん。

本当は誰よりもまっすぐなのかも知れない。


不器用すぎる鎧に身を包んだ柊くんの素顔を、見てみたいと
2日目の業務を終えた私は綜司さんの待つ家に自転車を走らせながら考えていた。


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