ふたつの背中を抱きしめた


幸い、カードゲームでトラブルになるようなコトはその後もなかったけれど

やっぱり柊くんは怒られてしまった。

そして、私とリエさんも。

翌日、カードゲームの一件を知った矢口さんにそれはそれはこっぴどく怒られた。


「貴方たちは正規スタッフでしょう!どうして止めなかったの!」

と。

更に私は

「櫻井さんはちょっと柊くんを甘やかし過ぎよ、ダメなものはダメと毅然と注意しなさい!」

と個別に叱られてしまった。

甘やかしてるつもりじゃ無いんだけど。

私は柊くんのやってるコトが間違ってるとは思えないだけだ。

確かに後のフォローが大変だったりもするけれど、そんな苦労で子供が笑顔になれるなら安いもんだ。



「私、間違ってるかなぁ、綜司さん?」

帰宅後、晩ご飯を食べながら私は向かいの席の綜司さんに聞いた。

「そういうの、すごく真陽らしいと思うよ。
仕事じゃそうも言ってられないかも知れないけど、僕は真陽のそういう部分なくさないで欲しいな。」


綜司さんの言葉に私はホッコリした気持ちになって、とりあえず頭にこびりついた矢口さんの鬼のような形相を忘れるコトにした。



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