ふたつの背中を抱きしめた


柊くんが持っていたフォークをカチャリとお皿に置く。

「…あんた、何しに来たんだ?」

「えっ?」

柊くんの言葉の意味が分からなくて私は聞き返す。

「あんた、今日ここに何しに来たんだよ。」

「な、何って…お見舞い、に…」


「ウソだ。」


私の言葉を遮るように柊くんが言った。


そのピシャリと言い切った言葉の強さに、私は二の句が告げなくなる。



「あんた、分かってたはずだ。俺が今日なんで休んだか。」


その言葉に、私の身体がビクリと震えた。

柊くんの黒い瞳が、私を捕えて、何もかも見透かしているような気がして、私は思わず目を逸らした。


「こっち向けよ!」


すかさず柊くんに咎められる。

おずおずと視線を戻した私の瞳を、柊くんは逃がすまいとばかりに強く見つめる。


「分かってたくせに。
俺が今日どんな思いでこの部屋に居たか、分かってて来たくせに。」


視線も、心も、
逃げられないようにがんじがらめにされていく。



「…俺が…、俺があんたを好きなコトを知ってて、今日ここまで来たくせに!!」



それは

その言葉は

私の罪を白日の下に曝け出す、咎の言葉。


もう、戻れない。



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