怪異彼女のつきあいかた。
「やっと見つけたわ!井波くん!」

「み…三神。ありがと…。」

「そんなこと言ってる場合じゃないわ。とにかく。私はこのバカ吸血鬼をどうにかするわ!」

バカ吸血鬼。もとい、銀髪美少女は、ペロリと舌を舐め、余裕の表情だった。


「あら、随分余裕ね。」

「ふっ!私は貴様とは違って強いからな」

「あらあら!随分デカイ口をたたくのね。」

三神するなも、ずるりっ


と、喉の奥からとてつもなく長い刀をだした。

「食事を見られたのじゃ。だから殺す。なのになぜ止めるのだ。」

「この人は殺しちゃいけないの。」

「何?なんで?もしかして、恋人?」


「ちがーうっ。この人は…ね?」


三神するながそう言ったら、銀髪美少女が刀を下ろした。

刀は地面をすり抜けるよう、どこかへ行っていまった。


「この人が…。」


「そう。この人が。」



「ん?」


気がつくと、吸血鬼美少女二人組は、僕の方を見ていた。


「なに?」


「先ほどはすみませんできした。お兄ちゃんっ!」


「え?」


なになになに?僕はいきなり銀髪美少女(しかも吸血鬼)に兄妹設定を植え付けられてしまったんだけどっ?!

「井波くん。今日からこの子のお兄さんになってあげて?」

「なに?」

わけがわかんない。

わけわかめである。

「私は、フランっ!よろひくねー!」

よろひくねー!と言われても…

「ま、詳しいことはあとあと!とりあえず、井波くん!今日はこの子、家に連れて帰ってね!」

「はぁ?」

何勝手に決めてるの?

「吸血鬼は代々後を次ぐの。一番偉いボスをね。」

「は…はぁ。」

「まぁ、簡単に話すわ。私とその銀髪の子、フランちゃんは姉妹なの。」

「え」

そこにまずびっくりだ!

「そして、私たちのお父さんは吸血鬼のボス。で、そのボスの後をつぐひとが、フランちゃん」


ほうほう。


「の、お婿さんになった人。」

「え」

< 10 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop