怪異彼女のつきあいかた。
真っ暗だから見えなかったのか?

どこで道を間違えたんだ…。

とにかく戻ろう。

僕は方向音痴ではない。

歌は音痴だけど。

どこをどう間違えたとか、そんなの関係なかった。

早く家に帰りたい。

それを思うだけだった。












あれ?


公園があった。

今、僕は来た道を戻ったんだよなぁ?

じゃあなんで?

こんな公園あったっけ?

あ、暗くて分かんなかったのか。


「くしゅん!」



………………………僕じゃないよ?


公園をおそるおそる除くと、小さな女の子がいた。

「銀髪?」


そう、銀髪のロングヘアーの美少女が。

「かわいい。」

素直にそう思った。


僕に気がついた少女は、こちらに近づいてきた。

どうしたんだろうか…。

こんな夜遅くに公園に一人だなんて…。

ゆっくりと近づいてくる少女。

何か食べている。

遠くて見えない。

「こんな夜遅くに何してるの?お母さんやお父さん、心配しない?」

「親などいないわ。」

変わったしゃべり方をする子だ。

少女が止まった。

と、同時に僕の動きも止まった。

な…なんで。

なんであんなもの食べているんだ。

「どうした。なにか私に用があるんじゃないのか?」

用なんて何もないよ。

できれば、ここで逃げたかった。

でも逃げてはダメだと思った。

「なっ…よ…用?」

逃げても逃げられないと思った。

ああ、三神するなさんよ…。

君はどうして僕を止めてくれなかったのさ。

そうしたら、ちょっと違った人生になったはずなのに…。


「女の子の食事をマジマジと見るのは失礼だのぅ。ま、立ったまま食べる私も私だが…。」

そう、女の子が、その銀髪美少女が食べているものは、



人間の腕だった。
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