【続】私は彼氏がキライです!?
「篤貴」
「はい」
「あの日君は言った。起きた時に自分の姿がなかったらコナミはきっと泣くだろうと」
お父さんが言う“あの日”というのがいつなのか、私にはすぐに分かった。
「ひとりで泣かせたくない。だけど思い切り泣かせてやりたいと・・・」
私が寝ている間に、お父さんとアツの間で交わされ言葉。
「コナミがひとりで泣いている姿。そしてなにごともなかったように父さんたちの前に顔をだす姿が目に浮かんだ。たまらなかったよ。父親として、苦しんでいる娘になにもしてやれない」
お父さんにこんな寂しそうな顔をさせて・・・私は本当に認めてもらってもいいのだろうか?
「だけど次の日見たコナミの笑顔。“おはよう”って言った元気な声を聞いて心の底からホッとしたよ。“コナミの笑顔を守る”君の言葉に嘘はなかった」
アツがずっと言い続けてくれていた言葉。
アツがいなきゃ・・・やっぱり私は笑えていなかったんじゃないだろうか?
「お父さんね、お母さんの病室で言ったの。もう若いからって理由でふたりの事を反対できないって。命には限りがあるから・・・精一杯生きなきゃいけない。コナミに、後悔させたくないって・・・お母さんも同じ気持ちよ」
両親の言葉にはとても重みがある。
「お父さん、お母さん・・・」
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