【続】私は彼氏がキライです!?
「父さん、どういうことだよ?」
ゆうくんが、お父さんのグラスにビールをそそぐ。
グイッと一気に飲み干したお父さんは、その苦味をこらえるよう、眉にギュッと力を込めた。
「旨いな。こんな旨いビールは初めてだ・・・」
「お父さん・・・」
「父さんはな・・・コナミが世界一可愛いよ。一生嫁になんかだすもんかって、コナミが生まれた時からずっと思ってた」
誰も口を挟まない。
私とアツは、その言葉を絶対に聞き逃しちゃいけない。
「だけどコナミはもう、幸せになる道を見つけてしまった。父さんや母さんが導いてやらなくても、ちゃんと自分で見つけた。それは、親として寂しさを伴うけれど・・・とても嬉しいことだ」
ボロボロとこぼれ出した涙を、何度も手で拭う。
「泣くなコナミ。お前は、篤貴の隣で笑っていろ」
初めてお父さんがアツの名を呼び捨てにした。
すごく大きな意味があるような気がして、私はお父さんの目を見て頷く。
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