幕末オオカミ


つまりは、京の街を火の海にし、そのすきに帝を誘拐しようというわけだ。



「なんてことだ……」



さすがの土方副長も、言葉を失う。



「そんなことはさせん!!
トシ、俺たちが止めなくて誰が止める!?」



近藤局長が立ち上がり、大声で気合を入れる。


副長も隊士たちも、ハッと我に帰った。



「当たり前だ……」



ふっと、土方副長は笑った。



「小娘、すぐ着替えろ。新しい任務についてもらう」


「はいっ」


「武器を盗み出した討幕派のやつらは、古高が既に自供したと思っているだろう。

今夜あたり、すぐに会合が開かれるに違いない。

監察方で手分けして、今からその場所を探れ!」


「はっ!」



その場所は、まるで見当がつかない。


しかし逃げられるわけにもいかないから、昼から浅葱の羽織を着て大々的に探索するわけにもいかない。


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