ヤンキー王子とラブレッスン③【完】
あたしは、小さくもごもご口を動かした。


案の定、声が小さかったせいで、五十嵐くんには聞こえなかったようで……。


「……は!?」


怒鳴るような声を出して、耳に片手をあてた五十嵐くんが……。


あたしの方に、数歩だけ戻ってきてくれた。


声も、しゃべりかたも、表情も。


全部全部怖いのに。


「なんだよ、心優」


あたしのことを、無視なんかしない、優しい人。
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