白球の彼方~君に託した夢~
向かないとわかっていても
やっぱり男子は男子な訳で、
気になってしまう。
「あ!!」
『どうした?』
突然声が聞こえたので振り返りそうになる。
「な、何でもない!エッチ!」
『何も見てないしエッチでもねぇよ。』
「ねぇ翔也くん。」
いきなり名前を呼ばれる。
『ん?』
俺はできるだけ平然を装う。
「アタシ、野球に出会ってなかったら人生負け組だったんだよね。」
『なにそれ。お前が負け組なんてありえねーだろ。』
悩み事とかなさそうだな、と言う前に
次の瞬間その言葉は一生言えなくなる。