白球の彼方~君に託した夢~
「アタシ、いつ死ぬかわかんないんだ。」
『…は?』
死ぬ?
雛菊は何言ってんだ?
「アタシ、子供の頃から
よりによって死亡率の高い病にかかっちゃったんだ。
だから、13年間生きれた事が奇跡に等しいんだ。」
『これからも生きれんだよな?』
もう二人とも着替え終え、
目と目があう。
「高校に行けるかわかんない。
そう余命宣告されたの、医者から。」
『嘘だろ…?』
「今更嘘なんて言わないよ。だからアタシはこの学校を選んだ。
甲子園に行けないなら…中学でてっぺん登ってやろうってね!」
そう言った雛菊はいつもの笑顔だった。