白球の彼方~君に託した夢~
「ちょうだいって、何よソレ(笑)」
『い、いいだろ別に!』
顔が紅くなる。
「アタシ野球の事になると厳しくなるから。それは知ってるでしょ?」
『うん、散々見てきたよ。』
気が付くと【雛菊】と書かれた標識の家が目の前にある。
そこで俺達は立ち止まる。
「じゃあ約束ね!
……アタシの夢、あんたが叶えてよ!!」
美愛がありったけの肺活量を使って叫ぶ。
叫ぶと言っても小さい身体と同じで声も小さい。
「おぅ!!
絶対叶えっからそこで見とけ!」
そう言って俺達は自分の居場所に帰る。
美愛の分まで頑張るんだ。
白球を手に、誓う。
俺は夢を託された。
絶対お前の夢を叶える。