情炎の焔~危険な戦国軍師~
その後は、朝餉を終えてから物見の仕事をした。


今日も敵軍に変化はない。


「失礼します」


三成様に報告に行くと、彼はなんだか神妙な様子である。


「三成様?」


「友衣」


まっすぐに見つめられて戸惑ってしまう。


「オレはおそらく、もう老いることはないだろう」


「どういう意味ですか?」


聞いてみても直接は答えてくれない。


「そしてこれ以上、お前達に迷惑をかけることもな」


「まさか…」


それってもしかして勝利をあきらめているってこと?


私はしばらく三成様にかける言葉を考えていたが、やがてぽつりとこう言った。


「それならいっそやめたらどうですか?」
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