総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜




「なんでかなーおいしいのに」


『うるさい黙れ辛党!!』



私はそう言うと、ハチミツの瓶に手を伸ばし――…




「ちょっと意外。【羅刹】ってば案外、子供なんだねェ」




…――その言葉に、伸ばしかけていた手が、止まった。



『……は?ちょ、何言って、』


「今さら無駄だよ」



慌てて誤魔化そうとしても、苓は笑ったまま。


――否、目だけは私を見据えて



「ずっと探してたんだァ……君の事を、ね?」



そう言うと、怪しげな笑みを浮かべたまま


コチュジャンのたっぷりついたホットケーキを一口、頬張った。



――――――…
―――――…




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