総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
……まぁそれから、[裂空]って事を嵩(カサ)に着て悪事を働いてた傘下グループにお仕置き☆したり
【こんなヒョロくて女顔な総長についていけるか!!下剋上だ!!】
とか言って襲い掛かってきた奴らをブッ飛ばしたりしてたら、あっという間に6月になっていて。
そろそろ気温も高くなったし、じゃあ着替えでも実家から取ってくるか……と考えて、片道二時間かけて我が家まで帰ってきたら
――…なんと、大輔が学校の先輩を家に招待していたという衝撃の事実が発覚。
……しかも、家族構成を『父、母、弟』と嘘ついてる大輔の先輩と、私(女バージョン)が遭遇したら
【なんで大輔そっくりの女が家にいるんだ!?】
という困った事態になるから、先輩がいる間だけでも男らしくして欲しいと懇願されてしまい。
(ったく…なんでよりによって、私が家に帰ってくる日に先輩を呼んじゃうんだよ!?)
――…そして現在。
私は心の中で毒づきながら、大輔に続いて久しぶりに家へと入った。
なんか妙に懐かしいな…なんて呑気な事を考えたその瞬間
『……あれ?』
私はふと、重要な事を思い出した。