夢見るゾンビ
・・・と私が妄想を巡らせているうちに、何人か自己紹介が終わっていた。(ごめん)
次に立ったのは、私が一番最初に挨拶を交わした、あのかわいい子だ。
あ、席そうた君の隣なんだ・・・。
「飯野由奈です」
ゆなちゃんっていうんだ。見た目にふさわしい、かわいい名前。かつ、大人になっても恥ずかしくない、かっこいい名前。
こんなとき、私はつい自分の名前と比べてしまう。
「バンビみたいに、みんなに愛される人になるように」
お母さんがそう願ってつけてくれた、大切な名前。
嫌いなわけじゃないんだけど・・・
中学生の時、辞典で意味を調べてびっくりした。
イタリア語で「こども」だって。
子どものときは、まだいいけどさ。大人になったら、どうなるよ?
お母さんにそう抗議すると、お母さんはあっけらかんと笑っていた。
「あれ、そうなの?知らなかったわ、アハハ」
ちょっとおかーさーん!!