笑う門にはオレ様がきた!!
確かに私は学生時代、
デザイン業界に入る登竜門的な賞を
いくつか獲っていた。


なので、いくら
憧れのデザイン事務所とは言え
事務職で入ることを当然
先生たちも猛反対したし
まわりの人たちからも
勿体ないだとか
他を探したらだのと
口うるさく言われていた。


「なんか、事情でもあんのかよ?」


「それは………」


私は例の水族館をみて
堀江和に憧れたこと


それがきっかけで
デザインの道に進みたいと思ったこと


そして働くなら
このデザイン事務所で
何としても働きたいと
思ったことを正直に話した。


例え、デザインの仕事に
携われなくても………と。


「ふうん…なるほどねぇ
つまり、お前はオレ目当てじゃなくて
純粋にオレの仕事に惹かれて
この会社に入ったって事だな?」


堀江和が確認するように聞いてきた。


私は彼の目をまっすぐ見ると、
「はい、そうです」
と言って大きく一つ頷いた。


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